• 2025.10.15

資金繰り表とは?作成するメリットや作り方を徹底解説!

 

資金繰り表とは

 

資金繰り表とは、会社や個人事業主が、「いつ・どれだけお金が入ってきて、いつ・どれだけお金が出ていくのか」を管理するために作成される集計表のことです。将来のお金の流れを可視化するためのツールとなります。

企業が活動を続けていく上で、お金(現金や預金)の流れをしっかり把握することは非常に重要です。売上や利益がでていたとしても、手元にお金が残っているとは限らず、手元に使えるお金が不足すれば、企業活動は成り立ちません。資金繰り表はまさにこのお金の不足(資金ショート)を防ぐための最も基本的かつ重要な経営管理ツールといえます。

 

 

資金繰り表を作成するメリット

 

資金繰り表作成により、以下のメリットが期待できます。

①将来の資金不足を事前に把握できる
資金繰り表を作ることで、「いつ・いくらお金が足りなくなるのか」が事前に知ることができます。「今月は大丈夫でも、来月末は厳しいな・・・」といったリスクに早く気付くことができれば、融資の準備や支払スケジュールの調整など、事前に行うことができるようになります。

②経営判断のスピードと精度が上がる
お金の残高の予測があることで、「今、設備投資をしても大丈夫か?」「人を採用するタイミングはいつが良いか?」などの経営判断を、感覚ではなく数値根拠に基づいて判断することができます。

③銀行・金融機関との関係強化
「資金管理ができている=健全な経営をしている会社」と見なされ、金融機関からの評価が上がり、融資や資金調達の際に有利になることが考えられます。

④決算書では見えないリアルな資金状況が見える
会計上の利益と実際の現金残高は一致しません。会計ではわからないリアルなキャッシュフロー管理が可能になります。

 

 

資金繰り表の作成方法

 

資金繰り表の作成は、税理士や専門家に頼まないとできないと思っている方も多いかと思いますが、実はそこまで難しいものではありません。
月次試算表(損益計算書・貸借対照表などの会計データ)があれば、Excelを使って資金繰り表を作成することは十分可能です。また、近年では資金繰り表の作成機能がある会計ソフト(freee、マネーフォワード、弥生会計など)も普及しており、これらを活用することで、資金繰り管理がより簡単・効率的に行えるようになっています。

 

作成前に準備するもの

 

資金繰り表を作成するためには、月次試算表の他、入出金に係る以下のような帳票・資料を準備しましょう。
・現金出納帳
・預金出納帳(又は普通預金通帳、当座照合表など)
・借入金返済明細書
・売掛金台帳、買掛金台帳
・手形帳

 

フォーマットを決める

 

Excelを利用する場合、WEB上に無料で使える様々なフォーマットが提供されていますので、これらを活用すると、効率よく作成できるでしょう。
最初のうちは、経常収支、非経常収支、財務収支などの必要最低限の区分がされたシンプルな作りにするのが良いかもしれません。

また、まずは1カ月ごとの月次で作成するのが基本です。現金が厳しい時や決済が集中するタイミングでは、1日ごとの日次も併用されるとより効果的でしょう。
年次については、月次で作成したものを集計すればOKです。

 

 

まとめ

 

資金繰り表は、単なる数字の表ではありません。
資金繰り表は、資金ショートの予兆を事前に教えてくれる頼もしい存在です。黒字倒産は、決して他人事ではありません。どんなに売上が伸びていても、手元にお金が残っていなければ、会社を続けていくことはできません。毎月の資金の流れを把握するためには、資金繰り表は欠かせないパートナーです。

また、資金繰り表は経営判断のスピードと確実性を高める武器にもなる、未来を照らすツールにもなり得ます。
ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ一度、作成を検討されてみてはいかがでしょうか。

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