従業員の資格取得費用等を負担した場合の取り扱い
2022.06.01
【相続税増税を真剣に考えてみる】
相続税が増税される2015年1月まであと半年を切っています。
景気回復に伴い、先日こちらでもお伝えした路線価の上昇などにより個人資産の評価額が上がる一方で、相続税の基礎控除額が現行の6割に縮小することから、相続税の課税対象者が倍増するという見通しも発表されています。
近年、相続税の課税割合は4%程度で推移しており、「100人中4人」しか課税対象者にならないことから大半の方が相続税のことを考えてこなかったのではと思われます。
そもそも、相続税の基礎控除額は昭和から平成にかけての“異常な地価高騰”に伴う措置として昭和63年から累次にわたり段階的に引き上げられ、減税措置が図られてきていました。
しかし、地価が平成3年をピークとして急速に下落する中でも、基礎控除額が据え置かれたことで現在は相続税の負担が大幅に軽減されているという背景があります。
財務省の資料によれば、現在の物価・地価水準が昭和50年代後半と同等であることから、基礎控除額もその当時の水準に近づけるということで税制改正が行われたということです。
当時(昭和62年)の相続税の課税割合が約7.9%であったことから、数値的には帳尻が合う気もしてしまいます。
そこで、最近注目されているキーワードが「子ども版NISA」と「教育資金贈与」ではないでしょうか。
NISA(少額投資非課税制度)はご存知の方が多いと思いますが、制度拡充の議論の中で“子ども版NISA”なる生前贈与を促す制度の創設が検討されています。
教育資金贈与については、祖父母から孫への教育資金の一括贈与について1500万円まで贈与税を非課税とする制度で、想定以上に活用されていることから2015年末までの期限を数年延長し、非課税対象のお金の使い道を子育て費用などにも拡充することが検討されるようです。
どちらも相続対策としての生前贈与を促す制度であり、約1000兆円と言われる祖父母世代の金融資産を投資や消費に回す意図があるものです。
相続税が今までよりも更に多くの人にとって身近な問題になってくることは間違いないでしょう。
今後も様々なメディアで取り上げられることが多いと思いますので、逐次お伝えしていきたいと思っております。