• 2020.02.12

中小企業・小規模事業者の防災・減災対策

福島会計の原口です。

2019年は熊本地震や北海道胆振地震、令和元年度台風15号や19号などによる自然災害の多い一年でした。

被災され、今なお復興に取り組んでいる方も多くいらっしゃいます。被災された方々に、改めてお見舞い申し上げます。

 

報道される機会が少なくなると、記憶が風化してしまいますが、明日は我が身という意識で防災・減災対策に取り組む必要があります。なぜなら、2019年版の中小企業白書によると、日本の企業数の99.7%が中小企業・小規模事業者であり、雇用の77.7%と付加価値額の52.9%を創出しており、中小企業・小規模事業者の被災による経済損失は地域の経済活動に多大なる影響を及ぼすからです。CSRやESG投資が叫ばれて久しい昨今ですが、防災・減災に取り組むことも企業の社会的責任の一つとして、益々求められてくるのではないでしょうか。

 

以上のような中小企業・小規模事業者の社会的役割を後押しするため、令和元年7月16日に施行された「中小企業強靭化法」は、「頻発している大規模災害や経営者の高齢化・事業承継の停滞といった、事業活動の継続が危ぶまれている状況においても、中小企業・小規模事業者のみなさまが事業活動を継続できるよう、人的サポートや税制優遇など様々な角度から事業継続力の強化を応援するための法律」(出典:ミラサポ総研vol.83)です。中小企業強靭化法では、中小企業・小規模事業者の防災・減災に対する取り組みを支援するために、「事業継続力強化計画」の認定による様々な支援策を打ち出しています。

 

=「事業継続力強化計画」認定企業に対する支援策=

①政府系金融機関の低利融資、信用保証枠の拡大などの融資支援

➁防災・減災設備に対する税制優遇措置(特別償却20%)

➂補助金(ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金)の優先採択(加点措置)

④経済産業省認定ロゴマークの使用

 

事業継続力強化計画はBCP(事業継続計画)とは異なり、自社が取り組みやすい対策を計画する、防災・減災の一歩目と位置付けられていますので、申請書類のボリュームも比較的ライトですし、国が商工会議所の経営指導員や中小企業診断士を指導人材として育成しており、申請書類の作成支援も受けられます。重要なのは支援策ありきではなく、災害によるリスクを想定し、被災時のアクション(人命の安全確保、非常時の緊急連絡体制の構築、被害状況の把握と共有など)を優先付け、従業員や取引先と共有・訓練して実行力を高めることです。

 

商品・サービスの安定供給は、お客様に対する責任であり、お客様から選ばれる理由の一つでもあると考えます。

事業継続力強化計画の策定をきっかけに、自社の防災・減災対策に取り組まれてはいかがでしょうか。

 

※参考資料

・ミラサポ総研vol.83 https://www.mirasapo.jp/features/policy/vol83/

・「事業継続力強化計画」 https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/keizokuryoku.htm

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