• 2020.10.21

GoToEatキャンペーン~飲食店としての留意点~

 

福島会計の原口です。

 

食欲の秋にちなんで、今回は10月から開始した「GoToEatキャンペーン」(以下本キャンペーンという)について、飲食店としてご留意いただきたい点をご案内します。

 

本キャンペーンは、農林水産省が所管する新型コロナウイルス感染症支援策です。その目的は、感染予防対策に取り組みながら営業している飲食店及び食材を供給する農林漁業者を支援するためです。本キャンペーンは、登録飲食店で使えるプレミアム付き食事券の発行とオンライン飲食予約の利用によるポイント付与の二つの取り組みで構成されています。本キャンペーンの予算は、プレミアム付き食事券事業868億円及びオンライン予約ポイント事業616億円と大規模であることから、コロナ禍で苦しむ飲食業界において、一定程度の需要喚起が期待できます。東京都では、10月1日よりオンライン予約ポイント事業が開始しましたが、プレミアム付き食事券事業は11月20日から始まる見通しです。

 

プレミアム付き食事券事業は、東京都の場合、紙の食事券とデジタル食事券の2種類があります。販売額の25%を国が負担するため、紙の食事券は10,000円で12,500円分が購入でき、販売予定数は300万セット、デジタル食事券は8,000円で10,000円分が購入でき、販売予定数は125万セットです。購入限度は1人1回2セットまでとなっており、都民以外も購入できます。
オンライン予約ポイント事業は、オンライン飲食予約サイト経由で予約・来店をしたお客様へ、昼食時間帯(~14:59)は500円分、夕食時間帯(15:00~)は1,000円分の次回以降に登録飲食店で利用できるポイントが付与されます。
両事業共に、販売・付与期限は2021年1月末、利用期限は3月末までとなっております。

 

飲食店がGoToEatキャンペーンに登録する条件として、ガイドラインに基づき感染予防対策に取り組んでいることを条件とし、取組内容を店頭掲示することが求められています。飲食店におけるガイドラインとして、一般社団法人日本フードサービス協会及び一般社団法人全国生活衛生同業組合中央会が連名で『外食業の事業継続のためのガイドライン』※1を示しています。加えて、都道府県が設定する独自の条件として、東京都では『感染防止徹底宣言ステッカー』※2の発行を受け、店頭に掲示する必要があります。
※1 http://www.jfnet.or.jp/contents/_files/safety/FSguideline_20514.pdf
※2 https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1008262/1008420/index.html

 

また、オンライン予約ポイント事業を利用する飲食店では、予約サイト毎に、基本手数料及び送客手数料が発生すること、GoToEatキャンペーン終了後の契約の取り扱い、入金サイト及び回数が異なるので、事前に確認が必要です。例えば、「ぐるなび」の場合、基本手数料は無料、送客手数料が14:59まで50円/人、15:00から200円/人、キャンペーン終了後も同じ内容にて掲載、15日と末日の月2回入金です。

 

本キャンペーンに先駆けて実施されたGoToトラベルキャンペーンでは、もともと低料金で使い勝手の良さが人気だった民宿やビジネスホテルより、GoToキャンペーンでお得に泊まれる高級旅館・ホテルに予約が集中しているそうです。※3
※3 出典:SankeiBiz.「「Go To」民宿は蚊帳の外 開始2カ月で高級旅館に人気集中」.2020.9.23

このことから、本キャンペーンでも、高品質な食をお得に食べられるメニューで、新しいお客様の開拓やこれまでの常連客に数多く足を運んでいただく取り組みが効果的です。コロナ禍における自粛疲れの消費者が求めているのは、低価格よりも期待を超える満足=お得感なのではないでしょうか。
そして、せっかく来店いただいたお客様に対して、再度来店いただけるように、またテイクアウトやデリバリーを利用してもらえるように、接客や広告物(チラシやPOPなど)にひと工夫しましょう。店に対する愛顧を高め利用頻度を増やすことで一人のお客様を囲い込み、「顧客生涯価値」を高める戦略の方が実現可能性が高いと考えます。
また、「新しい生活様式」が定着し、マスクの日常的着用、アルコール消毒の徹底、三密空間や長時間滞在の敬遠など、新型コロナウイルス感染症を機に大きく変わった消費者の心理や行動から、感染拡大防止に対する取り組みが飲食店を選ぶ指標になりました。※4感染拡大防止策を徹底した上で、ホームページやSNSなどから日常的に発信することで、消費者の安全欲求を満たし来店のハードルを引き下げ、選ばれる店となります。
※4 出典:株式会社リクルートライフスタイル.「緊急事態宣言解除後の外食実態調査」.2020.6.26

 

これまでご案内してきたように、本キャンペーンを活用しての取り組みは数多くあり、どの取り組みをいつから・どれから取り組むか、優先順位を付けて計画的に実行することで効果が最大化できます。飲食店店主の限られた時間を最大限有効活用するために、福島会計では、利益計画や行動計画の策定、計画のモニタリングを支援します。どうぞお気軽にご相談ください。

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