• 2021.12.22

消費税、いくら納税になる?簡単な考え方、注意点を説明

 

福島会計の荘です。
消費税の考え方や計算方法などについて、お客様よりしばしばご質問を頂くことがあります。
「よく分からないけど赤字でも消費税はこんなに払わないといけないの?」
「損益計算書に消費税はのっていないけどなんで?結局いくら納付するの?」
といった内容で、会計を見ても消費税のイメージがうまくつかないというご質問をいただきます。
消費税に関連して、以前ご紹介したインボイス制度

https://www.fukushima-ta.jp/blog/tac/6993/

について、随時弊社でもお客様へ改正に向けてご説明しておりますが、この改正に関しても仕組みから理解されていないと、難しい部分があるかと思います。
今回は例を用いながら消費税の仕組みと、会計とのつながりによる認識のズレ、またそれを踏まえて経営上考えなければならない注意点について説明いたします。

 

〇納付税額の計算
消費税の計算は簡単に、原則的な方法では
預かった消費税 - 支払った消費税
で行われます。
例えばシンプルに考えて
税込で110万円の売上 →10万の消費税を受け取っている状態
税込で33万円の経費 →3万の消費税も合わせて支払っている状態
があったとすれば、二重三重で消費税の支払が起きないよう、
確定申告により納付する税額は 10万 ー 3万 = 7万
として計算されることになります。

 

〇会計とのつながりによる認識のズレ
会計とのつながりを考えてみますと、消費税を会計上反映させる経理方式には、2種類あります。
①税抜方式
②税込方式
ここで、冒頭のように、「損益は把握しているはずだけど消費税のイメージがどうしても合いにくい」とすれば、それは①税抜方式 によるものと考えられます。
なぜ①だとこのようなことが起こるかといいますと、仮にこのような損益計算書があったとして、

ここには経理上、消費税の金額はいっさい反映されていないためです。
消費税については、この損益計算書の表示上の金額でなく、これらを税込に直してから納税額計算をすることになります。
仮に「売上高」「売上原価」「販売費及び一般管理費」すべてに消費税がかかっているとして
売上高 50,000 →損益計算書上は反映されていないが、結果的に、消費税5,000円預かっている
売上原価・販管費 計 30,000 →消費税3,000円支払っている
となり納付するのは2,000円となりますが、この預かった・支払った消費税も、納付すべき2,000円も、すべて貸借対照表上にしか反映されません。
貸借対照表には以下のように、「仮払消費税」「仮受消費税」の科目によって、支払った・預かった消費税額が明示されています。

期中は以下のように表示され、

ここから決算時に相殺した状態は以下のようになります。

 

損益計算書だけを見ていると納税に対する認識のズレが起こりがちです。

 

〇消費税の考え方で注意すべきこと
ここの部分で消費税に対するイメージがつけられていないと、例えば決算時に
売上高 30,000
人件費等 15,000 (消費税がかからないもの)
その他経費 20,000 (消費税がかかるもの)
こうなっていた場合に、損益を考えると△5,000となり「赤字だから法人税の納付は考えなくてよいな」という点については感覚的に想像がつきやすい部分かと思います。
しかし、消費税を考えてみると、預かった消費税 - 支払った消費税で1,000の納税が発生することになります。
ですので「税理士に任せているので良く分からないけど思ったより消費税納税することになった!」ということが起こり得ます。すでにある程度会計の感覚はつけられてきているよ、という経営者の方でも、この部分を税理士と連携しながら理解しておけば、より先の見通しが立てやすいと考えられます。

 

〇まとめ
時勢としても先行きがまだまだ見通せない状況ですので、上記のように税理士と連携し理解を深め、想定外がないように納税も含めて資金繰りの計画を立て、キャッシュの状況を把握しておくことの重要性はとても高いといえます。
福島会計では税務はもちろん資金繰りの計画についても、ご相談を承っております。
気になる点、ご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

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