• 2023.11.14

相続の対策はいつから始めるべき?早めに行うメリットを解説!

 

今回は将来発生する相続に向けて、事前に専門家への相談や財産の評価などの対策を行っておく相続対策のメリットを紹介します。

 

相続対策の手続きの順番

 

相続対策には、大きく

「遺産分割対策」(=どうわけるか)

「税額圧縮対策」(=いくらかかるか、それを圧縮できるか)

「納税資金対策」(=支払えるか)

の3つがあります。

時期によってできる対策が異なりますので、やっておけばよかったということがないようにしておくことが肝要です。

 

以下、順を追ってみていきたいと思います。

 

相続前に行うことができる相続対策について

 

相続前からできる対策として、以下があります。

 

自分の資産・負債のおおよその額や種類、ありかを話し合っておく

遺言書があるかないか、あるとすれば保管場所、保管方法を確認しておく

生前からできる対策を検討する

 

生前贈与は、贈与税の基礎控除額(年110万円)を利用して、毎年少しずつ次世代に贈与することで財産を圧縮することができますが、具体的手続きに関しては税理士に相談しながら進めるようにすることをおすすめします。

 

遺産分割対策

分割の対策は、先ほどご説明した「財産のおおよその額や種類、ありかを話し合っておく」、「遺言書があるかないか、あるとすれば保管場所、保管方法を確認しておく」といった、相続発生前から行えるものになります。

遺されたご家族が円滑に資産を引き継ぐためにもあらかじめ決めておくことが肝要です。

 

遺言書がなければ、相続人全員で集まって「どの財産を、誰に、いくら分けるか」話し合ったうえで「遺産分割協議書」を作成する必要がありますが、相続人全員で公平に分け合うことは難しく、誰かが不公平感を感じてしまうと分割協議自体が成立しません。トラブルに発展しないよう配分することがとても重要になります。

 

税額圧縮対策

相続税額を圧縮するには、「相続財産自体を減らす」といった生前にできるものと、「評価額を減らす」といった、相続後にできるものがあります。

 

申告時に適用する各特例などは、さまざまな適用要件があるため要件を満たすかどうか事前に確認しておく必要がありますので、こちらも税理士にご相談いただくことをおすすめします。

 

納税資金対策

預貯金ではなく不動産(自宅など)を相続しても、その評価額に応じた相続税を原則は現金で納める必要があるため、納税資金の準備も想定しておく必要があります。

 

どうしても納税資金を準備できない場合は、納期限を延ばしてもらったり(=延納)、延納でも納税できない場合には、金銭以外の一定の相続財産(不動産や株式など)で支払う物納制度を活用することもできます。ただしこちらもさまざまな要件があるため、こちらも税理士にご相談いただくことをおすすめします。

 

相続対策は早めに!早めに行うメリット

 

 国土交通省が行った「土地問題に関する国民の意識調査(令和4年度)」によると、「あなたまたはあなたの親や家族は、現在または将来の土地や住宅の相続について対応されていますか。 」という質問に対して、回答者のうち、相続対策・検討を行っている人の割合が全体の2割に満たず、約6割の人が何も対応していないとの調査結果が出ています。

また、相続対策を行っていない理由として、最も回答が多いのは「時期尚早だと思っているから」という結果でした。

この調査は、高齢者だけでなく、幅広い世代に行った調査である点を考慮する必要がありますが、70歳以上のみの結果でも何も対応していない人の割合が半数以上で、そのうちの約3割が相続対策を行っていない理由で「時期尚早だと思っているから」を選択しています。

上記のことから、相続対策を行っていない人の割合が比較的高いことや、その背景として、「時期尚早だと思っているから」ということが、強く影響していることが分かります。
そこで再度、事前に相続対策を行っておくことの3つのメリットを紹介します。

 

メリット①納税に必要な金額をあらかじめ把握できる

 

相続税が発生する場合に、あらかじめ納税に必要な金額を把握することは重要な対策です。なぜなら、相続財産のうち現預金が占める割合が少ない場合などで、納税資金が確保できないケースが発生するからです。

「相続財産から納税できるのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば、相続財産のうち、相続人が住んでいる不動産や一族が経営する会社の株式(非上場株式等)などが大半を占める場合では、これらの資産を売却することは困難なケースが多いです。

その結果として、現預金等の資産が少ないと納税資金が不足してしまうことがあります。

そのような事態を防ぐために、被相続人の生前から、財産の評価や納税額の試算などを行うことによって納税に必要な金額をある程度把握し、資金を準備する時間を設ける必要があります。

 

メリット②相続税額の負担を軽減できるケースがある。

 

相続税についても、早めの準備を行うことで、納税額の負担を軽減できるケースがあります。具体的な対策としては、前記の通り、生前贈与による財産圧縮と、申告時に特例等の制度を適用する方法などがあります。

 

こちらは、生前贈与を行うことで贈与税が発生するケースや、3年から7年に改正された生前贈与加算の制度などもあるため、正確な情報を元に進めることが重要です。

 

また、特例等の制度についても、適用要件を満たしているかどうか、あらかじめ専門家である税理士等に相談のうえ、正しい知識に基づいて対策を取られることを、おすすめいたします。

 

 メリット③相続に伴うトラブルを防止できるケースがある。

 

相続は「争族」と言われることもあるように、相続財産をめぐって親族の間で争いになることがあります。

早めの相続対策を行うことによって、そのような親族間のトラブルを防ぐことができるケースがあります。

 

具体的な対策としては、遺言書の作成や、財産の評価、事前に家族で話し合っておくことなどにより、

あらかじめ相続する財産を明確化しておくということです。

 

もちろん、相続財産の明確化を行ったとしても、争いになる可能性を完全に無くすことはできませんが、事前に明確化して準備をしておくことで、トラブルを防ぐことができるケースがあります。

 

まとめ

 

将来発生する相続について、あらかじめ準備を行われることによって、上記のようなメリットがあります。

 

しかし、実際に対策を行われるには、専門的な知識が必要な場合も多く、税理士等の専門家のアドバイスを元に、対策を進められることが安全だと考えます。

FLAIRでも、相続に関する税務関係の相談や相続税の申告を承っております。

相続税に関する相談や申告等についても、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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