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2020.05.20
相続の対策を早めに行う3つのメリット
スタッフの箱田です。
今回は将来発生する相続に向けて、事前に専門家への相談や財産の評価などの対策を行っておく相続対策のメリットを紹介します。
国土交通省が行った「土地問題に関する国民の意識調査」によると、
「あなたまたはあなたの親や家族は、現在または将来の土地や住宅の相続について対応されていますか。 」という質問に対して、
回答者のうち、相続対策・検討を行っている人の割合が全体の2割に満たず、約6割の人が何も対応していないとの調査結果が出ています。
また、相続対策を行っていない理由として、最も回答が多いのは「時期尚早だと思っているから」という結果でした。
この調査は、高齢者だけでなく、幅広い世代に行った調査である点を考慮する必要がありますが、70歳以上のみの結果でも、何も対応していない人の割合が半数以上で、そのうちの約3割が相続対策を行っていない理由で「時期尚早だと思っているから」を選択しています。
上記のことから、相続対策を行っていない人の割合が比較的高いことや、その背景として、「時期尚早だと思っているから」ということが、強く影響していることが分かります。
そこで以下で、事前に相続対策を行っておくことの3つのメリットを紹介します。
【メリット1】納税に必要な金額をあらかじめ把握できる
相続税が発生する場合に、あらかじめ納税に必要な金額を把握することは重要な対策です。
なぜなら、相続財産のうち現預金が占める割合が少ない場合などで、納税資金が確保できないケースが発生するからです。
「相続財産から納税できるのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば、相続財産のうち、相続人が住んでいる不動産や一族が経営する会社の株式(非上場株式等)などが大半を占める場合では、これらの資産を売却することは困難なケースが多いです。
その結果として、それ以外の現預金等の資産が少ないと、納税資金が不足してしまうことがあります。
そのような事態を防ぐために、被相続人の生前から財産の評価や、納税額の試算などを行うことによって、納税に必要な金額をある程度把握し、資金を準備する時間を設けることができます。
【メリット2】相続税額の負担を軽減できるケースがある。
相続税についても、早めの準備を行うことで、納税額の負担を軽減できるケースがあります。
具体的な対策としては、生前贈与と、亡くなった後の申告時に特例等の制度を使用する方法などがあります。
例えば、生前贈与では、生前に被相続人の財産を親族等に贈与し、相続財産を減らすことで、一定の場合には、相続税額が少なくなります。
一方で、生前贈与を行うことで贈与税が発生するケースや、被相続人が亡くなる前3年以内の贈与が課税価格に加算される生前贈与加算の制度などもあるため、正確な情報を元に進めることが重要です。
なお、この生前贈与加算については、「相続税と贈与税の一体化」の観点から改正が検討されており、対象期間を現状の3年から延ばすことも含めて、今後改正される可能性があり、最新の情報を注視する必要があります。
また、特例等の制度についても、適用要件を満たしていなければ使用できないため、あらかじめ専門家である税理士等に相談のうえ、正しい知識に基づいて対策を取られることを、おすすめいたします。
【メリット3】相続に伴うトラブルを防止できるケースがある。
相続は「争族」と言われることもあるように、相続財産をめぐって親族の間で争いになることがあります。
早めの相続対策を行うことによって、そのような親族間のトラブルを防ぐことができるケースがあります。
具体的な対策としては、遺言書の作成や、財産の評価、事前に家族で話し合っておくことなどにより、
あらかじめ相続する財産を明確化しておくということです。
この相続財産の明確化を行ったとしても、争いになる可能性を完全に無くすことはできません。
しかし、相続時の争いの原因として、相続する財産をめぐるものが多いため、
それを事前に明確化して、準備をしておくことで、トラブルを防ぐことができるケースがあります。
将来発生する相続について、あらかじめ準備を行われることによって、上記のようなメリットがあります。
しかし、実際に対策を行われるには、専門的な知識が必要な場合も多く、
税理士等の専門家のアドバイスを元に、対策を進められることが安全だと考えます。
福島会計でも、相続に関する税務関係の相談や相続税の申告を承っております。
相続税に関する相談や申告等についても、ぜひお気軽にご相談ください。