• 2023.04.05

夫婦間でも贈与税はかかる?かかるケースとかからないケースを解説!

 

先日、友人から夫婦の間でも金銭のやり取りって贈与税ってかかるのかな?という質問を受けました。
夫婦で財布を共有されている方も多くいらっしゃいますし、金銭のやり取りについて深く考える機会は多くないかもしれませんが、気を付けないと意図していない税金が発生する可能性があります。
そこでこの記事では、夫婦間の贈与について贈与税がかかるケースとかからないケースのご紹介や気を付けるべきポイントをご紹介します。

 

夫婦間で贈与税がかかるケース

 

贈与税の対象となってしまうよくあるケースとしては、以下のような事例があげられます。

・家や車など夫婦間の高額なプレゼント
・へそくりで株や金融資産を購入
・夫婦の口座間のお金の移動
・保険料を負担していない保険金の受取り

プレゼントといったわかりやすい形では無くても、例えば夫婦で住宅を購入した場合に、実際には夫しか資金を出していないのにかかわらず夫1/2妻1/2の持ち分とするといったように、片方が全額負担したものを共同所有にした場合などにも贈与税の対象となります。
贈与だと気付かずにやってしまうケースもあるかと思いますのでご注意ください。

 

・「贈与税の配偶者控除」とはどんなもの?

 

そうはいっても、妻の老後が心配だし、長年苦楽を共に過ごしてきた妻に感謝の意味も込めて安心して一生住める住宅を贈りたいという方もいらっしゃるかと思います。
そのような夫婦におすすめの贈与税の特例制度として「贈与税の配偶者控除」というものがあります。

 

「贈与税の配偶者控除」とは以下の要件に当てはまる場合に適用できる制度になります。

1.夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
2.贈与する財産が居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること
3.贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した居住用不動産又は与を受けた金銭で取得した居住用不動産に贈与を受けた者が現実に住んでいてその後も引き続き住む見込みであること
4. 配偶者控除を初めて適用する夫婦であること

この制度は、要件の一つである”婚姻期間20年以上である夫婦”ということから「おしどり贈与」とも呼ばれていたりします。

 

この制度が適用になると以下のような措置が受けられるようになります。

1.贈与税の基礎控除110万円と配偶者控除2,000万円、合わせて2,110万円について贈与税の対象とならずに贈与できます。
2.マイホームの持ち分の一部を妻に贈与しておくことで、その後マイホームを売却したときに、夫婦それぞれが居住用財産の3,000万円特別控除を利用できます。
3.特別受益の持戻しの免除との併用により、生前贈与加算の対象から除外することができる。

特に3番目については、税金対策というよりも所謂「”争族”対策」としての効果が高く、夫婦以外の相続人がいる場合に、確実に資産を残せるという観点から有用です。

 

ただし、この制度を適用する際には以下のことに注意が必要です。

1.マイホームを贈与した妻に対して、不動産取得税や登録免許税その他登記などに関しての費用が必要となります。
(相続で取得するよりも税率が高いので要注意です)
2.妻に贈与した部分について、固定資産税の請求がきます。
3.もしも妻が夫より先に亡くなった場合に夫が相続したら、生前贈与した意味がなくなる恐れがあります。

また、そもそも夫婦間であれば1億6,000万円の相続税非課税枠がありますので、事前に贈与をする価値が本当にあるのかどうかも検討が必要になります。

 

夫婦間で贈与税がかからないケース

 

前章で夫婦間で贈与税がかかるケースについて解説しましたが、反対に夫婦間でも贈与税がかからないケースはあるのでしょうか?

 

・生活費・教育費にあてるためのもの

 

国税庁のHPでは、贈与税がかからない財産として以下のように記されています。

「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」

ここでいう生活費とは、日常生活を送るのに必要な費用のことで、通常の範囲のお小遣いや治療費、子育てにかかる費用等も含まれています。
ただし、余った生活費を使って株式を購入したり個人の口座に預入れたりした場合、前述の「へそくりで株や金融資産を購入」ないし「夫婦の口座間のお金の移動」に当てはまってしまいますので注意が必要です。

 

・貸し付けている場合

 

例えば前述の不動産購入の場合であれば、一時的に夫が全額支払い、その後一定の期間で妻から夫に返済を行っている場合、贈与では無く貸付になります。
ただし、貸付として認められるためには「金銭消費貸借契約書」の締結が必要であるとともに、返済の際には元本だけではなく利息もあわせて支払う必要があります。

 

・もらった財産が110万円以下

 

そもそも、贈与税については110万円の基礎控除が設けられています。
たとえ生活費等にはあたらない理由であっても、この110万円の非課税枠を効果的に用いることで将来の相続財産を減らすことができます。

 

夫婦間の贈与の注意点

 

ここまで、贈与税がかかるケースとかからないケースをお話ししてきましたが、それ以外にも夫婦間の贈与では注意が必要な点があります。

 

・年間110万円超の贈与の時は確定申告を忘れずに

 

年間で基礎控除額110万円を超える贈与を受けた場合は確定申告が必要になります。
贈与の金額には、金銭そのものだけでなく車や時計なども含まれるので注意が必要です。
また、前述した生活費については、必要な都度のお支払が要件になりますので一括でまとめて支払っている場合は贈与税の対象になってしまいます。

 

・相続開始前3年以内の贈与は相続税になる

 

前述した配偶者控除のような制度に該当しない場合、相続が発生したタイミングから3年前までに贈与した資産は、たとえ贈与税の申告・納付が完了していたとしても相続財産に含まれることになります。

※令和5年の税制改正により、令和6年1月1日以降に贈与した財産の生前贈与の遡り期間が7年間に延長になりました。

 

まとめ

 

夫婦として長く寄り添えば寄り添うほど、築き上げてきた財産も多くなり、どれがどちらのものかという感覚も希薄になっていくかと思います。
お互いのことを想ってやったことが、実は贈与だったとなってしまうのは非常にしのびないと思いますので、是非ご参考頂ければと思います。
また、税理士法人FLAIRでは相続・贈与の相談・申告も承っております。
お困りごとがありましたら是非お気軽にお問い合わせください。

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