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2023.10.10
税務調査の対象者の選び方や選ばれやすい会社の特徴を解説!
8月になるといよいよ「税務調査にお伺いしてよろしいでしょうか?」と税務署からの電話が多くなる時期となります。いつかかってくるか分からない税務署からの電話に不安を抱いている方は多いのではないでしょうか?今回はそんな税務調査について概要や対象者の選び方を解説します。
税務調査とは、公正で適正な申告納税制度を維持するために行われる調査です。税金は、納税者が自ら税額を計算して申告・納付する「申告納税制度」が採用されています。そのため税額の計算ミスや虚偽の申告の可能性もあるため、不正行為の防止や申告内容の確認をするために調査は行われます。
税務調査には「強制調査」と「任意調査」の2つがあります。
・強制捜査
脱税の疑いが強い法人・個人に対して、立件を目的に行なわれる税務調査です。犯罪調査の一環であり、国税庁査察部が裁判所の令状に基づいて行います。任意調査のような事前通知はなく、日程調整や拒絶は認められません。
・任意調査
脱税の疑いが薄い法人・個人に対して、申告内容の確認を目的に行われる税務調査です。あらかじめ税務署から日程や内容が通知され、それに則って行われます。日程調整はできますが、正当な理由のない拒絶、妨害行為などは認められません。
調査についてより詳しく知りたい方はこちらを参照ください。
弊社ブログURL
https://www.flair-ta.jp/blog/tac/4889/
1章で税務調査の概要をお伝えしましたが、2章ではそんな税務調査の対象者はどのようにして選ばれるのかについて解説します。
税務調査の対象となる法人や個人事業主の選定は、税務署の法人(個人)課税部門の統括国税調査官と言われる管理者が行います。
税務署のパソコンは、国税庁の基幹システムであるKSKシステム(税務調査の選定を支援する機能等が実装)と繋がっています。
KSKシステムにおいては、様々な観点についてシステム的に分析を行い、その結果を「調査必要度」という形でスコアリングしています。
スコアリングされた中から調査必要度の高いものについて、調査予定件数の2倍程度の調査予定法人(個人事業者)を抽出し、次に、①決算書等 ②蓄積された各種資料を検討し、当該予定件数まで絞り、調査選定します。
税務署の国税調査官等は、少なくとも3年にわたり決算書(主として損益計算書及び貸借対照表)を分析し、異常な係数がないか確認します。
蓄積された各種資料とは、税務署が様々な形で収集・蓄積した情報です。種類としては、①重要資料 ②資金資料 ③探聞情報 ④一般資料等があります。その中でも、統括国税調査官が個別管理している、①重要資料 ②資金資料 ③探聞情報(いわゆる)タレコミ情報の有無は、調査選定の重要なポイントとなります。
①重要資料とは、売上除外や架空原価等の不正計算が強く疑われる資料です。
②資金資料とは、金融機関における、怪しい入出金事績がある預金者の資料です。
③探聞情報とは、税務署に寄せられた様々な情報です。
税務調査は、事業を行っている限り、いつ入られてもおかしくありませんが、その中でも税務署に目をつけられやすい業種は存在します。「不正発見割合の高い業種」や「申告漏れ所得金額が高額な業種」など、国税庁から公表されています。
売上が急増した、利益率が業界平均に比して低い、特定の経費の突出、過去に重加算税の賦課がある法人(個人)です。
税務調査が来ないようにする方法はありませんが、税務調査に入る確率を下げる方法はあります。
上記のとおり、税務調査は、どの法人(個人事業主)を訪問するかは、税務署内で決定されます。したがって、税務署は一方的に来るものですが、書面添付制度を活用する方法があります。
書面添付制度とは、税理士が作成した申告書に「その作成にあたり検証した範囲を明らかにした書類」を添付する制度です。この書面を添付している場合、税務署は、税務調査の前に、税理士に対して意見聴取します。
この意見聴取の際、税務署が目をつけたポイント(選定理由)が解消され、税務調査の必要がないと判断されれば、臨場しての税務調査が省略する場合があります。
税理士法人FLAIRにおいても、調査省略通知をいただいた事例がございます。書面添付制度について、ご不明なことなどございましたらいつでもご相談ください。
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